毛脛


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 夜の新宿で酔っ払いと肩がぶつかった
 別にこちらからぶつかったわけではないが
 相手が酔っ払いなので
 「すいません」
 っとすぐ謝った
 ところが酔っ払いが絡んできた
 「毛脛を見せろっ、毛脛をっ!」
 確かに私のスネにはアリンコができる程度に毛が生えている
 “なぜ知ってるんだろう”
 不審には思ったが、とにかく無用なトラブルは避けたい
 毛脛フェチなど信じがたいが
 それを責めることはできない
 私はズボンのすそを軽く持ち上げ男に見せた
 何しろ早く終わらせたかった
 しかし
 お望みどおり毛脛を見せてやってるのに
 男は納得せず
 酔いで舌の回らぬまま何やら文句を言い続けている
 どうやら見せてほしかったのは毛脛ではなくケジメだったらしい



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